残虐記
新大阪で、551の焼売とピューと吹くジャガー(asin:4088744667)とともに購入。
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/07/30
- メディア: 文庫
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「踏み絵」的な本。人に勧めて反応を見たくなる。
読み終わってしばらくで気づいたけど、読み手も立派な共犯者の一人だ。この本を自ら手に取った時点で既に、監禁された少女に対して、想像の愉悦を味わっているのだから。本を手に取って、少女の監禁生活をどんなんだろうと無神経に想像することで、少女の人格を陵辱する共犯者となる。共犯にされたら、この陵辱を表にだした作者への批判や評論なんてまともな神経じゃできないっす。桐野夏生って相当タチが悪いなあ(かなり褒めている)。
真に残虐なのはこの陵辱が無限増殖するってところと、最後の最後で判明する真実ですね。少女は想像の愉悦につかまってしまって陵辱なしには生きられなくなってしまったという。