巨匠ピカソ展


近くにいたので国立新美術館の方だけみてきた。

美術にはうといけど、ピカソが泥臭い女好きだったぐらいは知っている。というか、そういう生命力や精力みたいなのが絵にそのまま表現されているので全部みてるとほんと疲れてくる。結婚したての頃にはあんなにきれいに描いてたオルガが、最後の方は化け物みたいに描いてるし、同時進行の2人の愛人を同じポーズで作品にしてるし、自分の浮気が原因で泣いてる女さえ題材とはえぐすぎる。展示されてる昔の画集の中に、スケッチを集めてタイル状に並べたものがあったけど、その中に浮世絵の春画にインスパイアされたらしきスケッチがいくつかあったのが面白かった。けど呆れた。どれだけエロいねん…。

でも、画家だから当たり前だろうけど、いたずらがきのような絵でもそのデッサンの狂いのなさはすごい。ここまできれいにかけちゃうと自分の作品にいくら味を付けて画風を確立してもすぐに飽きちゃうんだろうな、だからキュビズムとか生み出したのかなとか、ぼんやり思った。

カンヌ湾とかあんな平面のパズルみたいなのに、湾の奥行きと広大さと光のきらめきが表現できてるのが不思議。絵の前で、ココの塗りがなかったらどうかな?とかいろいろ考えてみた。けど想像した限りではちょっとでも欠けたら、奥行きがなくなり平面的になる感じだったのでちょっとびっくりした。ピカソキュビズムで多面性の表現にも踏み込んでたので、幾何学的な観点でもモノを見ていたと思うけど、そういう法則でもあったのかな。やり尽くした人にしかわからない領域までいってた感じはするんだけど、それが何かはよくわからない。

でも基本的に生臭い作品の方が好みみたい。髑髏とか鳥を捕まえる猫とか泣く女とか。

国立新美術館って建物がおもしろい。見終わって17時。外は真っ暗。この時期の夜の早さは結構快適。