とりとめもないこと2

昨日読んだ「デイリーポータルZ:わんこそば・84才伝説」で蕎麦スイッチが入っていたため、地底から這いずりでた後新橋まで歩いて蕎麦屋を探す。新橋駅前ビルに「本陣房」というちょっと日本酒も出しますよみたいなうまそうな蕎麦屋があったので入ってみた。頼んだのは二色せいろ(ゆずきりと田舎)。
待っている間、客の一人がそばの賞賛とうんちくを店員さんに浴びせていた。蕎麦通が通う店なのかなと期待してまず最初、ゆずきりから口に運ぶ。なんか酸っぱい。おつゆにつけて酸っぱさを拡散しようとしたら、おつゆ自体が酸っぱくなった。うえ。
「田舎は普通のより黒くて太い蕎麦ですよ」と店員さんが云っていたので、出石の蕎麦みたいなんかなと予想。口に運ぶ。もそっ。黒い蕎麦なのに蕎麦の香りがしない。太い蕎麦だってだけだ。おつゆは既に酸っぱいのでそれを差し引いても、あんまり蕎麦っぽくない。なんか味がコンビニのカルボナーラみたいに単調で、全部食べる前に食べるのが飽きた。
おつゆをそば湯で割って飲む。おつゆ自体も関東風で醤油と鰹節のエグ味がきいたダシを使ってるみたいであんま美味しくない。最後そば湯だけ飲んでみた。そば湯からも蕎麦の香りがほとんどしない。きっと麺のそば粉の割合が低いんだなと思う。
面白いのは、蕎麦を食べている間にも、客から店員へ賞賛の声がやまず、2、3人が口々に「あいかわらず旨いね」とか「ここの蕎麦が一番だよ」とか我先にといい合ってたところ。皆サクラか、ここで自己啓発セミナーやってるのか、はたまた2ちゃんねらーが頑固親父ほめ殺しスレでも始めてるんかなと思ったよ。店員も予想通りまんざらでもなく誇らしげ。うわー。これがマジだと見ててとっても辛い。そして自分の立場もとっても辛い。お会計のときの、店員の誇りに緩みきった顔から目をそらすのが精一杯。あぁ、もう蕎麦屋探検する気力も体力も奪われたよ。お前が奪ったの!そんなに微笑みかけてくるなよ。もうやめて〜。うわ〜よせ、やめろ。わー。
でもまぁ最後にでてきた緑茶が旨かったのでまぁよしとします。むりやり内部解決。